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とめ門下試演会

昔、あなたのようにはるばる日本に来た一人の宣教師がいた。

彼がある日、銅製の仏像の前で一心に合掌している一老人を見た。
そこで宣教師は言った「金や銅で作ったものの中に神はない」と。

老人がなんと言ったと思う。あなたには想像もつくまい。
彼は驚いたように目を丸くして言った「もちろん居ない」と。

今度は宣教師が驚いてたずねた。

「では、あなたはなぜ、この銅の仏像の前で合掌していたのか」と。

老人は彼を見すえていった「塵(ちり)を払って仏を見る、
如何(いかん)」と。

失礼だが、あなただったらこれに何と返事をなさる。

いやその前に、このことばをおそらく「塵を払って、
長く放置されていた十字架を見上げる。
その時の心や、いかに」といった意味に解されるであろう。

一応それで良いとしよう。

ご返事は。さよう、すぐには返事はできまい。
その時の宣教師もそうであった。

するとその老人はひとり言のように言った。
「仏もまた塵」と。そして去って行った。


――イザヤ・ベンダサン『ユダヤ人と日本人』


これが、日本人と西洋人の違い、あるいは、日本音楽と西洋音楽の違い、の一つであるのではないかと今日感じた。


西洋音楽、もう少し正確に言うなら西洋式記譜による音楽、をやっていて、感じるのは、合理化という文化だ。
つまり、経験が無くても、楽譜の読み方を知っている人間なら誰でもその曲を再現できる、そのための記号たることに徹しているというか。
見やすい。無駄がない。間違って伝わらない。誰でも再現できる。

実はグレゴリオ聖歌の頃はそうでもなかった。ほとんど覚え書き程度のものだけで、私は尺八の譜面に似てるなーと思った。
多くは口伝だったんだろう。
それが、時代が下るにつれてどんどん合理的な楽譜になっていったわけだ。

某所で話題に出したことも手伝って、この話を思い出す。
私が就活していたのは2006年頃だったのだが、その頃かそれより少し前のトヨタのエピソード。
あるときねじ締めにミスが発生して、工場のラインがストップした。
その原因を徹底的に究明したら解決策が見えてきた。ねじ締めのための道具を作ったのである。
その道具を使ってねじ締めをすれば、誰でもミス無く簡単にねじが締められる。

今のトヨタはどうなっているんだろう。某、悪名高い元経団連会長の頃からずいぶん経って、今は車キチガイのおじさん社長になったみたいだけど。ちょっとわからない。

「カイゼン」が嫌いというわけではない。
でも、はっきり言うなら、「コスト削減」「無駄を省く」とかそういう考え方は嫌いだ。
無駄なものなんて世の中に無いと思っているからである。
無駄だと思って削減してみたら思わぬしっぺ返しにあった、そういう体験はここ数年で嫌と言うほどしたはずだし。

ただそればかりではなくて、もっと目に見えないもの・オカルト的なものも感じている。
それは今日仏教学で話があったようなことなんだけど、収拾が付かなくなりそうなので割愛。


音楽が人の世に於いて果たすべき、あるいは果たすことのできる役割というのは、精神への影響だと私は感じている。
それは信仰という形の中にあったり、娯楽としてだったり、芸術という精神鍛錬(?)だったりする。
それらをひっくるめて、文化と言うこともできるかもしれない。

キリスト教圏(と、ひっくるめていいのかはわからないが)と日本の文化は違う。
文化が違えば、その精神も違う。
精神が違うということは、音楽の性質、音楽に対する姿勢もまた違うということだ。

見えないもの。空気。気。心を研ぎ澄ますこと。
曖昧な音高。かすれた音色。間。


書きたいことはいろいろあるんだけど、このくらいにしとこう。
直接的にわかりやすい表現で書くのは、やっぱりなんだか無粋だ。
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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : 宗教 日本音楽 ネタ

2013-01-24 : 県芸 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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まつい

Author:まつい

フリーで作曲・指揮をしております。
ベルソンピアノコンクール演奏会編曲家
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↓むかし↓
愛知県立芸術大学音楽学部音楽科作曲専攻卒業
四日市市民オペラ「椿姫」副指揮者
三河市民オペラ「トゥーランドット」副指揮者
オペラ工房元副指揮者
名古屋音楽学校作曲科元受講生
混声合唱団名古屋大学コール・グランツェ28期OV
(名古屋大学文学部人文学科日本史学専攻近世史研究室卒業)
長良高校コーラス部平成14年度卒業生

カウンタ

since 2009/01/01

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