暇なので

某所に寄せた記事を転載してみる。


**

初めまして。
大学の合唱団で指揮者をしていた者です。

指揮者でいた時間、歌い手でいた時間の両方を体験して思ったのは、
指揮者は音楽をよくするツール、装置、のようなものではないかということです。
(あまりこう極端に言うと世の指揮者の皆様に叱られるかも知れませんが……)

大谷先生だったかなと思いますが、指揮者の立場がこんなに高いのは合唱界だけだ、オケの場合はもっと対等に近い、と言っておられました。
なぜそういった差が出てくるのかはあまりわかりませんが(合唱団はアマが多く、大谷先生の話のオケはプロだった、ということなのかも……?)、対等に近い、ということは、歌い手・弾き手側ががんがんと指揮者に意見できる雰囲気である、ということではないかと思っています。

私は新しく合唱団を作りたいのですが、その理想の一つが、歌い手一人一人が指揮者を越えようとするエネルギーを持つ、ということ。
いくら指揮者が芸音大卒であれ、ただ指揮者に従うのではなく、歌い手が自ら学び、音楽をよくするために切磋琢磨する、というイメージです。だから、指揮者への意見もたくさん出てくる。
その方が、指揮者としても安心して音楽づくりに集中できるのでは、と思います。
私(指揮者)は、ですが。

もちろん、指揮者主体で生まれた団や、よい音楽を作ることより歌うことを楽しむことを重視する団では、考え方は違ってくるのだと思いますが。
場合によるのでしょうね。

**


「この人を指揮者に迎えれば安心だよね」は、「この人が指揮者ならうちら楽できるよね」に繋がる。
歌い手が指揮者にぶら下がっている、それが一番嫌な状態。
グランツェの時、歌い合わせなんかではまちゃんやみんなが鋭い意見を言ってきたりした。
刹那的に考えれば、「なんだよ面倒くせー時間なくなるだろー」ということになる。
けれど、意見を言ってくれるってことは、それだけ歌い手が考えてくれてるってことだ。
更に、考えるためには音楽知識の素地が必須。だから考えられるように、音楽の知識を得ようとしてくれている、ということでもある。
それって、
1.指揮者にとっては自分は一人ではないと感じられて心強い。
2.指揮者もなまけとったらあかんなと気を奮わせられる。
3.歌い手が学ぼうとすることで歌い手個人のレベルが高くなる。
4.歌い手一人一人が歌おうとすることで音楽全体が生き生きしてくる。(これは私の考え)
5.曲作りについてレベルの高い議論ができる。
というメリットがある。

だから、新しい団の団員は、うまいと嬉しいけど、それ以上に合唱が好きであってほしい。
合唱が好きであれば、
1.上述のように、合唱について考えたり、学んだりしたいと考える可能性が高い。
2.歌うときに気持ちがこもる(具体的には、フレーズを丁寧に歌う、強弱のニュアンスを考えて変える、など)。
3.団の仲間関係にもプラスになる(話題とか)。
となってくる。


あー、ここまで来たら、せっかくなので「なぜ合唱か」「なんのために音楽をやるのか」まで明文化しよっと。
・よい音楽を作りたい。
↑それは表現したいからである。
↑それは自分がどういう人間で、どういうことを考えているかいろんな人に知ってほしいからである。
↑それは今までそういう機会がなかったからである。(事実)

もいっちょ。
・よい音楽を作りたい。
↑それはよい音楽を作り音楽を極めることで世界征服をしたいからである。世界征服とは一ジャンルにおいて世界一になるということである。
↑それは自分が世界にとってなくてはならない存在だと感じたいからである。
↑それは今までそう感じたことがなかったからである。(事実)

事実が2つとも痛々しいな……。
恵まれた環境に育った人は芸術は目指さないってか。

あと、なぜ音楽というジャンルか、という問いもある。
それは……わからん。
佐藤先生が言ってたように、自分にはこれだ、と思ったから、としか言えない。
小さい頃から歌うのが好きで、楽器も得意で、ピアノ習ってて、音感もあって、コーラス部に入ったら仕事はしんどかったのに歌うの楽しかったからやめる気とか起きなくて、実際にうまくなっていって、グランツェ入ったら長良の経験が生きて、指揮者やって(これはなぜだろう……)、うまくいってほめられて、
こういった事実が積み重なってきたから、自分は音楽だなと感じた、ということだろうか。
これはまだ明確な答えが出せていないし、今後も出しづらいと思う。


長いな。書きたくなったらまた書きます。
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tag : 指揮 合唱

2009-01-05 : 由無事 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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まつい

Author:まつい

フリーで作曲・指揮をしております。
ベルソンピアノコンクール演奏会編曲家
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愛知県立芸術大学音楽学部音楽科作曲専攻卒業
四日市市民オペラ「椿姫」副指揮者
三河市民オペラ「トゥーランドット」副指揮者
オペラ工房元副指揮者
名古屋音楽学校作曲科元受講生
混声合唱団名古屋大学コール・グランツェ28期OV
(名古屋大学文学部人文学科日本史学専攻近世史研究室卒業)
長良高校コーラス部平成14年度卒業生

カウンタ

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